バスは好きですか。
自分は苦手なのであまり乗りません。
大学生のときによくしていた一人旅では循環ルートを走るバスに乗るも降りるタイミングがわからず1周してしまうことがありました。
急いでいるときにきちんと確認せず乗ったら目的とは反対の場所に連れて行かれたとか。
あと電車とは違ってバス停の名前にピンとこないことが多い。
駅の名前はだいたい市名(埼玉は)などから取ってきているので移動しながら現在地がなんとなく分かりますが、名などの「〜1丁目」「〜2丁目」「〇〇前」と言われても、目的地に近づいているのか分からなくてハラハラするのです。
どうも安心して乗っていられない。
と、こんな話はさておき。この曲を聞いたことがありますか。
スピッツ / 運命の人
“バスの揺れ方で人生の意味が分かった日曜日” “でもさ君は運命の人だから強く手をにぎるよ”
軽快なメロディにのせて「バスの揺れ方」というフレーズから始まる、1997年にリリースされたスピッツの楽曲。
この曲は割とキャッチーなフレーズが多く詰まった曲だと思うのですが、個人的に印象が強いのはやはり冒頭のこの2行の歌詞です。
人生の意味が分かっただなんて、一生わからない人もいるくらい凄いことなのに、次に「でもさ」とサラッとひっくり返してしまうような拍子の抜ける感じが魅力的で、癖になる。
でもさ、とどうして”ぼく”は強く手を握ったのでしょう。
走っているバスが交差点で停止線ギリギリで急に止まり、わずかな危機感から咄嗟に手を強く握ったのか。日曜日、バスに乗っている親子や夫婦を見て、となりにいる”君”が人生を共にする”運命の人”になりうると実感し、確かめるように手を握ったのか。
“揺れているバスの中で”というよりはバスの”揺れ方”自体に焦点を当てているんですよね。
正解は分かりませんが、歌詞から色や広がりを感じさせてくれる余白があるのはとてもスピッツらしくないですか?
冒頭から引き込まれる、大好きな曲です。
この曲ってとても青くささを感じるといいますか
気になった方は歌詞をぜひ調べて見て欲しいのですが、
"愛はコンビニでも買えるけれどもう少し探そうよ"
の部分だけ見てもコンドームのことかな、と思います。違うかな、皆さんはなんだと思いますか。
意気揚々と人生の意味が分かった、なんて言っていたのに
“神様”と何度も繰り返し
”遥かこの地球の先まで” “つまずいた時には” “君となら” “ユートピア”
と、不確定な未来を信じたい気持ちを連想させるような言葉が登場します。
そんな未来こそが人生だと悟ったのかもしれないし、やっぱり分かっただなんて言ってみたものの、不安があとからポロポロと出てきた若さ故の妄言とも取れるような気がしています。
僕は君のことが”好き”である、ではなく必要不可欠な存在であるということを表現していて、よりこの曲は人生の話であることを感じさせられます。
スピッツってどの楽曲でも、いつもと相も変わらないような日常的のシーンにふたりの男女がふわっと浮かんできますよね。いい。
twitterで、こんなツイートを見ました。
“親が車で流してた曲”の影響って大きい
— ぶるさと (@ZLMeqo0Hb1T7W0v) January 11, 2021
うちは決まってスピッツかユーミンでした。
これ、いろんな人に聞いてみたい。
あと、この間は苦手であまり乗らないバスに一人で乗ってみたのです。
その日はちょうど、日曜日だったので。